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トヨタの新しいコミュニケーションシステムを搭載した「コネクティッドカー」は、未来の何とつながっているのか?

2018.09.21

自動車業界は、自動運転やシェアリングカーなど新しい時代の到来が予見されています。そんななか、トヨタ自動車から発表されたのが「コネクティッドサービス」。新型の「クラウン」と「カローラ スポーツ」の全モデルで利用可能なこのシステムは、単なるナビゲーションシステムではありません。クルマと人、クルマとクルマ、人と人同士でコミュニケーションが可能となるシステムなんです。

▲コネクティッドサービスを標準搭載した、新型クラウン

▲コネクティッドサービスを標準搭載した、新型クラウン

▲同じくコネクティッドサービス対応の、新型カローラ スポーツ

▲同じくコネクティッドサービス対応の、新型カローラ スポーツ

遠隔操作でナビゲーションをセットし、レストランの予約も!

「コネクティッドサービス」には専用の通信機能が装備されていて、クルマ単体でネットへの接続ができます。この常時接続性が「コネクティッドサービス」のポイント。たとえばAIによる音声認識で目的地などを探せる「エージェント(音声対話サービス)」では、質問の内容によってクルマ側のシステムで検索するのか、それとも通信を使ってサーバー側で処理をするのかを自動で判断。「近くの美味しいステーキ屋さんで駐車場のあるところ」など、細かな検索も対応できるわけです。

▲コネクティッドカーのインターフェース(カローラ スポーツ)

▲コネクティッドカーのインターフェース(カローラ スポーツ


▲AIなどを活用し、より細かな検索が可能となっている

また専用スタッフが対応する「オペレーターサービス」も利用可能です。目的地のリクエストに応えて、遠隔操作でナビゲーションをセットしてくれるほか、レストランの予約などにも対応。AIでの自動応答では対応しきれない部分は人と人とをつなぐことで、細かな対応を実現しています。

▲オペレーターと通話して目的地の相談から予約などにも対応してくれる

▲オペレーターと通話して目的地の相談から予約などにも対応してくれる

LINEでクルマと友だちに!?

さらに「コネクティッドメンテナンスパック」では、クルマの走行データをサーバーに送信することで、クルマの状態を把握。エンジンオイルやタイヤの交換といった時期を通知してくれるので、より安全なドライブが楽しめます。

人とクルマのコミュニケーションとしては、「LINE マイカーアカウント」もおもしろいサービス。自分のLINEアカウントと「LINE マイカーアカウント」をつなげることで、マイカーと友だちになったようなやり取りが可能です。たとえば、チャットで目的地までのルートや天気を聞いたり、ガソリンの残量からどこまでドライブできるかといった情報も教えてくれます。スタンプを送信するとスタンプで返してくれるなど人間らしさもあり、クルマをパートナーとして活用できるわけです。


▲【サポトヨ】LINEマイカーアカウント

▲クルマとLINEでコミュニケーションがとれる

▲クルマとLINEでコミュニケーションがとれる

トヨタが「コネクティッドサービス」で目指すものとは?

この新しいコミュニケーションシステム「コネクティッドサービス」をトヨタ自動車が提供した狙いを、同社の国内企画部 事業・コネクティッド企画PTのプロジェクトリーダーの垣迫和行(かきさこ・かずゆき)さんに伺いました。垣迫さんは今回のコネクティッドサービスのベースとなっている「T-Connect」を数年前から牽引してきています。

▲トヨタ自動車で「コネクテットドサービス」を担当している垣迫和行さん

▲トヨタ自動車で「コネクテットドサービス」を担当している垣迫和行さん

ーー今回コネクティッドカーを導入した背景を教えてください。

垣迫和行さん(以下垣迫さん)「まず今回クラウンとカローラ・スポーツという2つの車種に『コネクティッドカー』が利用可能となっています。トヨタとしては伝統のある車種ということで、この2車種に標準搭載することで、トヨタが本気で新しいことをチャレンジしていくという姿勢を見せています。

▲伝統あるクラウンに新しいシステムを搭載することで、トヨタの本気を表している

▲伝統あるクラウンに新しいシステムを搭載することで、トヨタの本気を表している

現在は100年に一度の大きな改革期にあたっていると考えていて、クルマに性能としてこれまで重要だった『走る・曲がる・止まる』に加えて『つながる』ことで究極の『安心・安全』を目指すことができるのではないかと考えて、企画をしています」

ーーこれまでの通信機能を搭載したシステムとは、どこが大きく違うのでしょうか?

垣迫さん「やはりより安心安全な運転を実現するためにはどうすればいいか、ということを目的として企画しています。たとえば『ヘルプネット』という機能がありますが、万が一の事故の時には自動で緊急車両を手配したり、ドクターヘリとも連携していて緊急搬送にも対応できるようにしています。そのときは、ドライバーがちゃんとシートベルトをしていたかなどの情報も検知していますので、重篤度なども考慮しながら連携できます。

安心という点では、『eケア』というサービスでクルマのメンテナンス情報などをあらかじめ販売店やサービスセンターと共有することで、修理などの際にクルマのチェックからスタートするのではなく、すぐに作業に取りかかるといった利点もあります」


▲【サポトヨ】マイカーSecurity/eケア(ヘルスチェックレポート)

▲「eケア」ではスマートフォンのアプリから、クルマの情報がチェックできる

▲「eケア」ではスマートフォンのアプリから、クルマの情報がチェックできる


ーークルマとコミュニケーションというのも今までにないおもしろいポイントだと思いますが

垣迫さん「事故0(ゼロ)の社会を目指すというのが第一の目標なのですが、その上でより快適なカーライフを目指すというのもコネクティッドカーの狙いです。『LINE マイカーアカウント』がひとつの例になると思いますが、クルマが友だちとなってユーザーのニーズに応えてくれます。『愛車』という表現がありますが、クルマが本当のパートナーとなるというのはひとつの方向かなと思います。現在は目的地設定など限られた対応しかできませんが、さらに広げて行きたいと考えています。

ただ私としては、最終的には人と人のコミュニケーションも重要だと考えています。「オペレーターサービス」では実際にコールセンターで人が対応します。やはり現在のAIなどの技術ではまだまだ細かな対応は難しい。ハードウェアのシステムだけでなく、ソフトウェアオペレーションの部分も大事ですね」

▲「修理などのメンテナンスも含めて、人と人とのコミュニケーションも重要」(垣迫さん)

▲「修理などのメンテナンスも含めて、人と人とのコミュニケーションも重要」(垣迫さん)

ーーコネクティッドカーは自動運転やカーシェアリングサービスなどにもつながっていくのでしょうか?

垣迫さん「そうですね。自動運転への第1歩だと考えています。それと、社会としては確かに所有から利活用へと変化していて、いままではクルマに紐付くというかモノに紐付く世界でしたが、今後は個人に紐付く世界になっていくのではないでしょうか。たとえばカーシェアリングなら、どのクルマに乗っても自動でユーザーに合わせたパーソナライズができるとか。ただトヨタ自動車としては、利活用にも力を入れていきますが、やはり所有して自分のクルマを楽しんでもらいたいという思いもあります。

世の中のスピードが早いですが、それをいかにキャッチできるか。スピード感をもって取り組んで行きたいですね。弊社は環境に負荷をかけないスムーズな道、渋滞のない社会を目指しています。今回のコネクティッドカーによってクルマと人がつながることで、クルマも人も一緒に成長できるような未来があると思っています」

まったく新しい、未来のクルマの楽しみ方

コミュニケーションに注目してクルマとクルマ、クルマと人がつながることで安心・安全から新しいクルマ社会を提案する「コネクティッドカー」。このシステムが普及することで、クルマと人がその先の未来へとつながっていく、そんな期待を感じさせてくれるシステムです。


コネクティッドサービス
ドライバーとクルマや街がつながることで新たなサービスを生み出すシステム。車載通信機DCMを全車に標準搭載し、T-Connectサービスを3年間無料で提供。スマートフォンを使った「LINEマイカーアカウント」や安全・エコな運転度合いを確認できる「MyTOYOTA for T-Connect ドライブ診断」といった機能も利用可能。「ヘルプネット」や「eケア」といった安全・安心をサポートするサービスをはじめ、「オペレーターサービス」などカーライフを快適にするサービスにも対応している。https://toyota.jp/

垣迫和行
トヨタの国内販売事業本部に所属し、「コネクティッドカー」を使った新しいサービスに取り組んでいる。日本をいかに元気にするかを目標にし、30代前半の若いメンバーを中心としたチームを牽引している中心人物。

クラウン
車両価格:460万6200円~718万7400円)
【モデル/2.0 B(460万6200円)】
エンジン/直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボ
変速機/8速AT
駆動方式/2WD(FR)

カローラ スポーツ
213万8400円~268万9200円
【モデル/G“X”(213万8400円)】
エンジン/直列4気筒DOHC 1.2リッター直噴ターボ
変速機/CVT
駆動方式/2WD(FF)

取材・文/中山智
撮影/土井一秀(コネクティッドカー)、岡田清孝(インタビュー)

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