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【セミナーリポート】天災などのBCP対策として注目されるテレワーク。2020年に向けて東京都が取り組む補助金などの導入支援とは?

2019.12.03

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先日、各地を襲った台風の際に、多くの企業が在宅勤務や時差勤務の対応をした事が報道されましたが、そういった天災時の対策も踏まえ、テレワークへの注目度が日に日に増しています。また、「働き方改革」における労働参加率・生産性向上の施策や、東京2020オリンピック・パラリンピック開催中の通勤混雑対策として、国や東京都が中心となって、テレワークを推進しています。

このような行政の推進もあり、テレワークを導入・検討をする企業も増え、その必要性が高まっています。しかし、導入に対して課題を抱える中堅・中小企業が多いのも事実です。そんな企業に対して、東京都の無料で受けられるコンサルティングや助成金・補助金制度があることはご存知でしょうか?

この支援制度の活用方法やテレワークの進め方についてご紹介する、東京都「ワークスタイル変革コンサルティング」主催の『テレワークができる環境を整えよう!~補助金「はじめてテレワーク」活用方法セミナー』をリポートいたします。

今回、セミナー講師を務めたのは、ワークスタイル変革コンサルティング事業でコンサルタントを務める森啓亮(以下、WS森)です。

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セミナーの参加者は、企業の人事や総務担当者が多く、過半数がこれからテレワーク導入を検討している方たちでした。

第1部:テレワークは難しい!?「思い込みの壁」を作っていませんか?

第1部では、働き方改革とテレワークの意義や定義、必要性について説明されました。

WS森「まずお伝えしたいのは、テレワークの必要性が高まっている背景についてです。東京2020オリンピック・パラリンピック開催期間中、新宿・渋谷・品川をはじめとする16エリアで特に通勤者が通勤混雑の影響を受けるとされ、また月末・月初の繁忙期に東京2020大会の集中取組期間が重なることから、テレワーク導入が通勤混雑を避ける有効な対策になります」

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WS森「しかし、実際に導入を進めようとしている企業は、導入の必要性を感じながらも以下のような課題を感じています。

1.テレワークに適した仕事がない(業務の棚卸しや、業務改善からまず行う必要がある)
2.情報漏洩が心配(ICT環境の整備や導入が必要)
3.コミュニケーションに支障がある
4.労務管理が難しい

テレワークの導入を検討している担当者はこれらの課題に加えて、『うちの会社ではテレワークは向かないのではないか?』と漠然とした不安を感じている人が多い。そして、具体的な課題以前に、「会議は対面で行わなければいけない」、「このシステムは出社しなければ使用できない」という「思い込みの壁」が大きいのです。

導入を検討する際にまず考えるべきことは、自社の現在の立ち位置。以下の図のように企業のステージや業種・職種特性によって、目指す状態が異なるため、まずは導入目的を明確にすることが重要になります。このようにわけて考えることで、『ウチには出来ない」と諦めていた企業の担当者も、段階的にテレワーク導入を考えることが可能になるのです」

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第2部:5つのポイントを押さえ、成功するテレワーク導入の第一歩を!

では、テレワークを導入し、定着させるには、どのような事を心がければよいのでしょうか?

WS森「テレワークに関する『制度』だけでなく、『意識』『業務』『環境』、そして『マネジメント』という5つのポイントがあります」

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続けて、テレワーク導入の進め方の一例をご紹介します。

1.まずは、テレワーク導入の目的を明確に策定すること

2.次に、テレワーク導入の計画と体制の設計
テレワーク導入にあたり重要とされるのが、人事部門・総務部門・情報システム部門・導入対象部門という多部門のメンバーでプロジェクトチームを構築すること。導入することがゴールではなく、運用・改善するところまでを見据えて導入を進める必要があります。

3.そして、テレワーク導入のトライアル(試行)実施
現場によるトライアル(試行)が導入プロセスにおいて最も重要です。実際の対象者にテレワーク勤務を試してもらって制度・環境面の課題を明確にしておくことで、制度を整えていきなり導入するよりも導入後の浸透スピードが速くなるためです。

4.トライアル(試行)を経た上での制度環境設計
トライアル(試行)の結果、具体的な課題点を改善検討した上で、本格導入に向けた制度を固め、ICTやオフィス等の環境を設計し、リリースします。

5.導入後の普及・定着への施策
テレワークは制度を導入して終わりではなく、むしろ制度導入からが本番です。現場が使える制度、働き方にするために、継続的な普及・定着の活動が必要です。

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第3部:無料で使えるテレワーク導入支援制度を活用し、「わからない」から「できる」へ!

2部で話された「現場定着するテレワーク導入 5つのポイント」のうち「環境」を例にして考えると、テレワークの実現には「環境設計」が必要になります。企業規模や組織体制・業務内容・導入目的などに合わせたICT環境を選定して構築していきますが、企業にとって費用負担は大きな課題です。

そこで3部では、「テレワークができる環境を構築したいけど、金銭面に課題がある」という場合に活用できる東京都の補助金・助成金制度について紹介がありました。

WS森「東京都では、来年の東京2020大会に向けて、様々なテレワーク導入支援を展開しています。そのなかでも2つ、注目していただきたい事業をご紹介します。1つ目は、「ワークスタイル変革コンサルティング」です。この制度を活用すると、無料で5回まで専門家のサポートを受けることができます。
5回の訪問を通じて、コンサルタントが企業ごとの業務や状況を把握した上で、テレワーク導入の計画策定から試行後の検証・ヒアリングや、改善策の提案までを伴走型で支援します」

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<ワークスタイル変革コンサルティングの流れ>
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2つ目は、ワークスタイル変革コンサルティングなどの専門家の支援を受けた後に、テレワーク導入に必要な機器や関連ソフトなどの費用や制度整備費の補助を受けられる「はじめてテレワーク(テレワーク導入促進整備補助金)」です。

「従業員2名~999名の企業までが対象で、企業規模に合わせた補助を受けることができます。これからテレワークの導入を検討する中堅・中小企業にぴったりな支援制度です」

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東京都の企業にとって、2020年に向けてテレワーク導入の検討は待ったなしの状況です。テレワーク導入についてご不安をお持ちの企業ご担当者様も、今回ご紹介した無料のコンサルティング事業と補助金を活用することで、テレワーク導入の第一歩を進めてみてはいかがでしょうか?

関連リンク
2020TDM推進プロジェクト
東京都産業労働局 「ワークスタイル変革コンサルティング」
公益財団法人東京しごと財団 「はじめてテレワーク(テレワーク導入促進整備補助金)」

取材・文/高島優季、撮影/渡辺健太郎、編集/角田尭史(リスナーズ株式会社)、成瀬岳人(Work Switch編集部)

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