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あなたの「もし・・・」が茨城の未来を変える! 茨城をフィールドに新規事業×地域課題解決 に外部人材が挑む「if design project」の舞台裏 ~後編「熱量」~

2019.08.06

190515_01_L_0222_02▲if design project

茨城をフィールドに新規事業×地域課題解決に外部人材が挑む「if design project」。後編では、昨年の第1期がいかに熱量高いものだったかを振り返ります。受講生の熱量を高めた要因、そしてプログラム終了後の現在は? さらに今年2019年、if design projectは第2期を迎えます。さらなるバージョンアップが期待されるその内側にも、踏み込みます。


プロジェクト企画者
2
小森 学
茨城県 政策企画部 計画推進課 移住推進グループ 主任

3
樋口聡美
茨城県 政策企画部 計画推進課 移住推進担当 主事

4
増田亜斗夢
株式会社リビタ 資産活用事業本部 地域連携事業部 事業企画第2グループ兼施設運営グループ チーフコンサルタント

5
鈴木高祥
茨城移住計画所属 株式会社カゼグミ 代表 ファシリテーター

6
インタビュアー 森 啓亮
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 ワークスイッチコンサルティングコンサルタント
平成28年度~平成30年度「茨城県トライアル移住・二地域居住推進事業」プロジェクト・マネージャー

運営事務局のサポートと、チーム同士の化学反応がターニングポイントに

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茨城県 小森学(以下、小森):各チームとも後半になるにつれて熱量が高まっていきましたよね。

リビタ 増田亜斗夢(以下、増田):そうですね。各チームも最終プレゼンを迎える数日間は何度も議論を重ねていました。講師にもフィードバックを貰いながら、自分たちやチームが納得するまで提案を練り直していて、妥協していたチームは一つも無かったです。

ワークスイッチコンサルティング 森啓亮(以下、森):何がその熱量を生み出したんでしょうか? もしかして、プログラムのなかに何か仕掛けを設けていたとか…。

カゼグミ 鈴木高祥(以下、鈴木):仕掛けというか、意識して声をかけたところはありますね。

森:といいますと?

鈴木:まずDAY1はフィールドワークなので、情報量が多い上に各自が課題や資源の発見に労力を費やしていて、ディスカッションが始まっていない状態なんですよ。
でも、そのままだと次回のプログラムが1カ月後になってしまうので、その日の夜の懇親会で交流を図ることが大事だなと思っていました。

森:1カ月だと、結構期間が空いてしまいますもんね。

鈴木:受講生の中には、積極的にというよりは、自然な流れで仲間を作りにいくタイプの方もいたので、少しでも早くチームづくりをサポートできるように話題提供するなどして声を掛けました。
3カ月間という期間が限られたプロジェクトなので、運営事務局としても交流のきっかけを作ったり、必要に応じて提案に向けたフレームを提供したり、マイルストーンを設定したりしました。

森:楽しみながらも、目標とタスクは共有している状態を心掛けたんですね。

鈴木:そうしたら、チーム内はもちろんのことチームを越えて受講生同士の交流が進んだり、相互に進捗を確認するなどして、いい意味で刺激し合ったりしていました。
受講生同士の顔が分かって「仲間意識」が芽生えた瞬間に、熱量が一気に高まっていったような気がします。

小森:個性の良さが出ていましたし、チームのカラーも様々でしたよね。

コミュニケーションを絶やさなかったことで、良い関係性が維持できた

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小森:受講生や、講師、運営事務局でFacebookグループも作りましたよね。
鈴木さんや増田さんがメインになって、受講者向けに情報を流したり質問に返してくれていたり。私は「いいね」するだけでしたが、少しでも応援し合える関係だということを意識していったことが、熱量を保った要因じゃないかと思っています。
また、私たちは普段、東京にいないので、県庁側としてもプロセスが見えていたのはとてもよかったです。
受講生の方々は会社が終わった平日の夜も打ち合わせをしていましたが、増田さんは打ち合わせ場所を提供してくれたり、その様子を動画で上げてくれたんですよ。
正直、茨城のために頑張ってくれていることが嬉しかったですし、本当にありがたかったですよね。
私たちも受講生から質問があれば、地域や役場へ直ぐに繋ごうという意識になりました。それが仕事と言えばそれまですが、このプロジェクトの一員であることが本当に楽しいという感じでした。

増田:打ち合わせの様子を動画で上げた理由には、県庁の皆さんにも状況を伝えたいというのもありますが、実は一方で、他のチームに対していい刺激を与えたいというのもありました(笑)。

森:お二人のサポートが大きかったということですね。
そのほかに「こういうことを伝えたら、また熱量が上がった」というような印象的なシーンはありますか?

増田:もともと(受講料として)3万円を払って来ていただいているので、熱量のベースは高いんですよね。ただその熱量を継続させるためには、プロジェクトに関わる全員が共有していることが大切だと考えていました。

森:そのために何かされましたか?

増田:例えばですが、講師の方にも受講生の進捗を共有するように心掛けました。各プログラムから2週間ぐらい経ったところで「今こういうところで悩んでいて、こういうところにアドバイスをしてほしいんです」とか、運営側の熱量や受講生たちのやる気を講師の方に伝える機会は定期的に設けていました。
講師の方もそれに伴走してくださって、熱いコメントをくださったり、プログラム以外での打ち合わせや飲み会に参加してくれる方もいらっしゃいました。

森:双方に対して、コミュニケーションを下支えされていたんですね。

増田:あとは、各チーム内に茨城県出身者で地域をよく知っている受講生の方もいらっしゃったんですよね。また茨城移住計画のメンバーをはじめ、フィールドワークした時に地域と繋げられる方も各チームに配置しました。
そうやって地域の顔が見える関係性になっていくと、「やべえ、茨城や地域のために妥協した提案はできない」というプレッシャーも感じていったんだろうと思います。

森:なるほど。

プログラム終了後、Uターン者も誕生。すべてのチームで活動を持続中

森:現在プログラムとしては終了しているわけですが、その後も継続されたプロジェクトはあるんですか?

増田:全チームがまだフェードアウトはしていません。
「山×地域」チームは3月末にパートナー企業だった日升庵さんの紹介で、筑波山の麓の石蔵を活用したカフェをイベント出店しました。
「スポーツ×地域」チームは夏頃に向けた企画を水戸ホーリーホックと連携して詰めています。
「食×地域」チームは今後どうしようか悩むところでは止まっているんですが、「これで終わり」というチームはないですね。

小森:このプロジェクトがきっかけで、茨城県にUターンされた受講生もいるんですよ。

森:さっそく!

増田:あとは日升庵さんの商品のパッケージデザインを複業的に行っている受講生もいます。

森:新しい広がりが生まれているんですね。

増田:そうですね。企画自体の実現はもちろん大事なのですが、実際にこうして受講生さんとパートナー企業が繋がったりとか、このプロジェクトをきっかけに知り合った地域の方に会うために継続的に茨城に行ったりというのも重要な側面だと感じています。

森:そういう意味では冒頭にあった「関係人口」につながってくると思います。そこはある程度成功したと。

増田:はい。

茨城側の熱量も高まる第2期。受講生の「トリガー」も可視化したい

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森:では、今年度も第2期となるif design projectが始動するそうなので、ここは樋口さんに伺いましょうか。

茨城県 樋口聡美:まずは、3つのテーマでチームを組んでいく予定ではあります。先程からのお話にもある通り事業だけで完結なのではなくて、そのあとも関係性が続くような人たちを集められたらとは思っているので、やはり熱量が高くて面白いことができるような方たちがたくさん集まってくださればいいなあと思っています。

小森:ちなみに、「if design projectについてもっと聞いてみたい」とか「一緒にやれるならやってみたい」という声を県内の企業から頂くようになりました。
もちろん東京側で茨城に関わってくれる人が増えてくれるとそれはそれで成果だし、ありがたいのですが、県内でも関わってくれる人が増えてきたというのが私としては感慨深いです。

森:鈴木さんや増田さんはいかがですか?

鈴木:まずは、去年と変わらない属性の方にまた来ていただければと思っています。毎年if design projectでやっていることに影響を受けて「私も挑戦してみたい」という人が増えたらいいなと思います。
あとif design projectが今後どうなったらいいのかを考えていくと、結局、関係人口づくりの「入口」を僕らは紹介しているんですよね。
でも、きっかけを作ることはできても、受講生本人がその地域を好きだと思えるようにしていかないといけません。

森:と、いいますと?

鈴木:自分がその地域にどうコミットするかとか、これだったら面白そうだと思うことを見つけないと、プロジェクトの成果にも関わりますし、個人の能力も活かしきれないと思うんです。
「こうしたところがトリガーになって受講生が継続的に関わっているようです」ということを説明できるようになったらいいと思っています。

1期生と2期生の交流にも期待。人と地域が自在に繋がり広がるプロジェクトへ

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森:増田さんが、第2期でさらにレベルアップさせたいと思っている点はありますか?

増田:細かい点はいろいろあるんですが、1期生と2期生のコミュニティを広げられたらいいなあと思っています。
1期生たちが、現在も活動を続けていることは確かなので、2期生の活動をサポートしてもらうのもいいと思います。
逆もまた然りで、2期生が1期生の活動に入っていただくのも全然いいと思うので、そういう相互交流が生まれ、「if design project」としてのコミュニティがどんどん広がったらいいなと思っています。

森:ありがとうございます。あとは伝え足りないことがあれば…。

鈴木:個人的には、もっと茨城県内の市町村に波及していけばいいなと思っています。

一同:そうですね。

森:皆さんとしては、当然もっといいものにしていきたいというのはあるでしょうが、すでにポジショニングは変わりつつあるのかなと思います。第2期がどうなっていくかは個人的にも楽しみにしています。

if design project 第2期募集はこちら
https://if-design-project.jp

インタビュー/森 啓亮、文/吉田知未、撮影(インタビュー)/河野英喜、編集/ランサーズ

前編「萌芽」はこちら。

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