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ミドルマネジャー7番勝負! -中小企業で仕事を滞らせる7人の刺客との闘い方-

2017.10.27

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ミドルマネジャーにとって、まさに職場は四角いリング! 経営陣には成果を上げろと詰められ、味方のはずの同僚の足の引っ張り合いに巻き込まれ、部下は部下で迫りくる敵と闘うこともなく敵前逃亡。それでも闘わなければならないのがミドルマネジャーの宿命! しかし、なぜか仕事がうまくいかず、自分のスキル不足だと感じ、自信を失ってしまっているミドルマネジャーの何と多いことか。けれど、自分と周りのことをよく見つめ直してほしい。決して、自分のせいではないことに気付くはずだ。自信を失ってしまっているミドルマネジャーは、自らの存在意義を見失い右往左往していたころの新日本プロレスに似ている。自信さえ取り戻せば、自らの存在価値を高めるとともに、会社にも日本経済にも貢献できるようになるはずだ。格闘技ライターとしてさまざまな闘いを見つめた後、なぜか中小企業に就職し課長職として7年間を会社に捧げたという経歴を持つ筆者が四角いリングでの闘い方と勝ち方を伝授しよう!

第1の刺客 デキる部下

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さあ、第1試合の開始です。
最初の刺客としてやって来たのは部下!

私自身、マネジャー職に指名された当初は、部下との関わり方でとても悩みました。今まではプレイヤーとして成果を出すことだけに集中すればよかったものが、知識も経験もないまま部下の育成などを命じられるわけです。ここを乗り越えることが中小企業のマネジャーの第一のハードルだと言えるでしょう。

おっと、デキる部下が「相談があるんです」と誘ってきました。これは要注意。デキる部下は、他の会社からも引く手あまた。つまり転職の相談である確率が高いのです。マネジャーになると経営陣からの評価指標も変わってきます。案件をこなすよりもチームの運営。つまり、辞められてしまうと自分の評価が下がってしまうのです。

実は、この段階ならまだ勝利確率は80%。本当に転職を決意していた場合、デキる部下からマネジャーに相談はありません。いきなり「辞めます」と言ってくるだけです。だからこそ、日々のコミュニケーションが重要なのです。自分から挨拶をしっかりとし、普段の仕事ぶりを見ておく。そうすることで転職前に相談される関係を築けるのです。
相談されるということは信頼されている証。ならば、じっくりと話を聞きましょう。場合によっては社外に連れ出し食事をご馳走しましょう。そうやって四方八方から固め技を繰り出し、最後はアントニオ猪木の必殺技卍固めで決着です!
(第1試合:ミドルマネジャー○(卍固め)×デキる部下)

第2の刺客 ミスを犯す部下

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中小企業のミドルマネジャーに対する2人目の刺客は「ミスを犯す部下」です。

「何でこんなミスをするんだ!」おっと、本部長が血相を変えて怒鳴り込んできました。確認するとケアレスミス。よくある光景ではないでしょうか。
さて、ミスをした部下に対してどんな対応を取っているでしょうか?責任の所在を見せつけ、責めたり、叱責する方がほとんどではないでしょうか?そして「次からは気を付けろ!」で終わり。こんな対応が非常に多く見られます。
けれど、それによってミスがなくなったという話はまったく聞いたことがありません。これが何を意味するかといえば、叱ることや責めることが目的となっている場合が多々あるということです。

ミスをしたくてする人はいません。必要なのは、「ミスをした部下を叱る」ことではなく、ミスをしない方法を教えることです。「ミスをしたら叱る」という固定観念に縛られてしまうから、ミスがなくならないのです。プロレスと同じです。ロープは跳ね返ってくるものという固定観念に縛られていたら、タイガーマスクの四次元殺法は生まれなかったのです。ミスをした部下は叱らずに、まず一緒に解決方法を考えましょう。そして、ひとまず解決した段階でゆっくり時間を作り、ミスの原因と今後の対策、仕事への取り組み方などを話し合いましょう。「ミスをしたら叱られる!」という恐れを持っている部下にこそ有効な四次元殺法です。
(第2試合:ミドルマネジャー○(ムーンサルトプレス)×ミスを犯す部下)

第3の刺客 マネジャーの上司

Young confident caucasian businessman screaming on his employee

第3の刺客として、マネジャーの上司の登場です!

上司に過度な期待を掛けてはいけません。マネジャーの上司が現場でバリバリと仕事をしていたのは20年ほども昔のこと。今とは時代環境が大きく違います。最も大きな変化は「体力で稼ぐ時代」から「知恵とアイデアで稼ぐ時代」への変化です。この変化に乗り遅れてしまった役職者がうじゃうじゃいます。そして、そういった役職者ほど、役職の上にあぐらをかいているものです。

過去の成功体験に囚われ、役職の上にあぐらをかいている上司と正面からぶつかっても勝ち目はありません。倒すのではなく、自分の味方に付けることを考えるべきです。そのために大切なことはリサーチ。その上司がどのようにしてその役職になったか、プレイヤー時代に成果を上げたのか、マネジャー時代に成果を上げたのかという視点でリサーチをすると、上司の価値観や考え方が見えてくるはずです。その価値観を知った上で、相手の望む形で成果を出すことに集中するのです。

そう、関節技に持ち込むのです。派手な技を仕掛ける必要はありません。コツコツと地道なグラウンドレスリングを展開するのです。まるで藤波辰巳のように。自分の評価を少しずつ上げていき、いつの間にか味方に付けてしまうのです。最後は、コブラツイストで相手の動きを封じてしまいましょう!
(第3試合:ミドルマネジャー○(コブラツイスト)×マネジャーの上司)

第4の刺客 無茶ぶりクライアント

Businesswomen arguing in front of businessman at office

マネジャーの仕事を滞らせる無茶な要求をしてくるクライアントは大勢います。

企画部門でマネジャーをしていた時、企画は通ったのになぜかその企画自体が別のものに変わっているという経験を何度もしました。コンセプトを都合良く解釈され、企画内容に手を加えられ、結果的に提案段階とはまったく違う成果物が完成する。そんな状況になったら、文句の一つも言いたくなるものです。

クライアントとの闘い方において重要なことは、「仕事をもらう」という意識を捨て、「一緒に仕事を仕上げる」という意識に変えることです。つまり会社の枠を飛び越えて、一つのチームとして機能することを目指すのです。
実際、私自身クライアントを巻き込む形で一つのプロジェクトを進めるようにしてからは、目に見えて苦情や無茶ぶりは少なくなっていきました。

クライアントの得意技に敬意を抱きながら、自分の得意技にプライドを持つこと。そうすることで試合はスイングし、名試合と呼ばれる域に入ることでしょう。一つの仕事が終わり、クライアントから「次の仕事の話が……」と言われた瞬間こそ、自らの必殺技であるジャーマンスープレックスホールドがキマった瞬間なのです。
(第4試合:ミドルマネジャー○(ジャーマンスープレックスホールド)×無茶ぶりクライアント)

第5の刺客 他部署のマネジャー

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さあ、5番目の刺客としてやってきたのは他部署のマネジャー。いわゆる自分と同じ役職者たちです!

マネジャーの中には他人の足を引っ張ることだけを考えているとしか思えないマネジャーがいます。なぜそのようなマネジャーが生まれるかといえば、マネジャー同士の序列争いの敗北が発端である場合が多いのです。
出世争いとは別のところで、マネジャーの序列争いが日夜繰り広げられています。分かりやすく言うと、影響力と発言力の拡大を、全員が狙っているわけですね。その序列争いに敗れてしまうと、発言力と影響力が低下してしまいます。そこにマネジャーの嫉妬心が生まれるのです。そして、嫉妬心によって他人の足を引っ張るマネジャーが生まれてしまうわけですね。
こういったマネジャーのチームは、まずうまく機能しません。メンバーの表情が曇りがちになり、チームから離職者が増え始めます。そうするとますます成果が上がらなくなり、そのマネジャーはますます腐り、他人に対しての攻撃性が強くなっていくという負のスパイラルに陥ることになるのです。
このような、他部署のマネジャーを相手にするときは接近戦を挑んではいけません。相手の出方を見て、距離を取って闘うのです。しっかりと報告・連絡を行い、場合によっては相談もしましょう。とにかく仕事の上で落ち度を作らないことが大切です。そうやって、相手の体力の消耗を待ちましょう。

プロレスでも同じです。相手の出方を見たり、ロープワークをふんだんに使って相手の体力を奪う闘い方が有効なのです。そして最後はラリアット一閃!
(第5試合:ミドルマネジャー○(ラリアット)×他部署のマネジャー)

第6の刺客 経営者

Frustrated Businesspeople Listening to Conference Call

いよいよ7番勝負もクライマックス! ここにきて最大の敵の登場です!
その名も経営者! そんな相手との闘い方を伝授しましょう。

そもそも、経営者の仕事とは「意思決定」を行うことです。トップダウンやボトムアップ、合議制など、さまざまなタイプの経営者がいますが、全ては「意思決定」の方法の違いに過ぎません。人事異動や新規プロジェクト、採用や決済など、マネジャーは日常的に経営者の意思決定と闘わなければならないのです。

私が心掛けていたことは、経営者の視線を常に意識することでした。何を見て、その決定を下したのかを考えるのです。そして、場合によってはその決定に従わず、黙って自分の信じる道を選択することも必要なのです。
経営者の意思決定は重いので、ほぼ全ての社員はその意思に従ってしまいます。そう、まるでアントニオ猪木の号令で全てが動いていたかつての新日本プロレスのように。こうなってしまうと、万が一、その決定が間違っていたとき、取り返しがつかないことになってしまいます。そうならないためにも、自分の信じた方法でビジネスの種をまいておきましょう。今すぐの評価が下がったとしても、数年経った時、あなたの評価は揺るぎないものになるはずですから、それまでの間、爪と牙を研いでおくことも大事なことなのです。
(第6試合:ミドルマネジャー○(リングアウト)×経営者)

第7の刺客 自分

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いよいよ7番勝負も最後の闘い。最後に登場したのは・・・おっと誰も出てきません。これはつまり自分自身が敵ということです。
プレイヤーからマネジャーになってしまうと、仕事の取り組み方が大きく変わります。単に自分の数字を追求するだけでは評価は上がりません。チームを運営し、会社全体の方向性と照らし合わせ、成果の最大化を図っていかなければなりません。
部下が辞めたり、上司に叱責されたりなど、うまくいかないときには「自分の力不足」だと悩んでしまうこともよくあるのではないでしょうか。
忘れてはならないのは、全てが自己責任ではないということ。仕事がうまくいかない要因は、会社関係や人間関係など、外部の要因であることがほとんどなのです。そのことを理解して、楽しいチーム作りを心掛けてもらいたいと願います。
(第7試合:ミドルマネジャー(引き分け)自分)

会社に囚われない目標を自分の中に確立しよう

ふと気付けば周りは敵だらけ。上からはヤイノヤイノ言われ、下からは突き上げられてしまう。過去に成果を上げた栄光はどこへやら。マネジャーとしての働き方に悩み、自分に自信を持てなくなったミドルマネジャーをたくさん見てきました。
自分を追い詰めても何も解決しません。大切なことは、何かを始めてみることです。会社の目標とは別に、自分だけの目標を立て、その達成のために何ができるかを考えるのです。

私の場合、マネジャーになった時に、「自らのチームから離職者を出さない」という目標を立てました。不思議なもので、人間というのは自ら目標を立てるとその目標を達成するための方法を徹底的に調べ、実行するのです。その結果、私がマネジャーだったチームから一人の退職者も出すことなく、今でも会社の中で頑張っているようです。

マネジャーという仕事は、実はとても楽しく、真剣に取り組めば取り組むほどに自分の成長につながるもの。会社を支えているというプライドを忘れずにマネジャーとしての仕事を追求していただきたいと思います。

大西孝之
20代後半から、格闘技系のライターとして活躍していたが、30代半ばになりなぜか中小規模の制作会社に就職。そこで課長職を7年間勤めた後、独立。現在はフリーライターとして自由区域という個人事務所を立ち上げて活動中。

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