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絶対ビジネスに活かせる! スマート落語術

2017.11.21

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昔からあるお笑いには漫才、漫談、落語などがあります。その中でも昨今、あちこちで落語の会などが催されるようになって、落語がちょっとしたブームになっています。その落語には、さまざまな人生の機微、知恵、教訓などが笑いの中に詰まっています。そして、仕事や家庭生活にも役立つものがたくさんあります。落語を見て、聞いて、読んで、あなたのビジネスシーンに彩りを与えてみませんか。

「落語」でビジネスが豊かになる!

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落語というと、あまり親しみのない方もいらっしゃるでしょう。江戸時代に生まれた落語は、古典と呼ばれるものでも400もの「噺(はなし)」が伝わっています。そこには庶民を中心にさまざまな人たちが描かれています。まさに人生の中の笑いです。
例えば頻繁に登場する大店の大旦那と番頭の会話などは、現代に置き換えれば中堅企業の物語です。時代は変わっても仕事と背景、人間は変わりません。そこさえ分かれば、落語の登場人物を自分に置き換えるのも簡単ではないでしょうか?また落語の語りはプレゼンテーションやトークに役立ちます。コミュニケーションツールとしても、落語の知恵をビジネスにぜひとも活かしてみましょう。

トークの技法は落語に学ぼう!

話の流れ「マクラ・本題・オチ」

落語は一人による語りです。つまり語り手の立場は、企画のプレゼンテーションと同じです。そして落語にはマクラ、本題、オチという3つの構造があります。プレゼンテーションでもこの構造にすると、聞き手にとって理解しやすく、相手を惹き付けることができます。プレゼンテーションではよく「起承転結」と言われますが、そこにこの「マクラ、本題、オチ」を重ねてみてください。「起」がマクラ、「承」と「転」が本題、「結」がオチです。

「マクラ」はエピソード、身近な話題がテーマです。そこで自分のちょっとした失敗などで笑いを誘い、お客さんをリラックスさせます。自分を少し落とすことは相手を立てることにつながり好感を得られるのです。相手を立てつつ自分を出すのは落語もプレゼンテーションも同じです。

中心のテーマ、本題ですが、落語でも「本題」は真面目に語ります。あまり笑いを差し挟まずにテーマに集中して惹き付けるから、「オチ」が活きるのです。プレゼンテーションでも、起承転結の転から結に至る部分で内容をゆっくり丁寧に語り、理解させることが重要です。

ユーモアと粋

「オチ」の笑いはコンペでは不要ですが、すでに契約している相手への小規模なプレゼンテーションには有効なこともあるでしょう。その際には、落語の魅力の一つ「粋」が大事です。では、「粋」とは何でしょうか。

それは、現代では生き方や言動における格好良さ、おしゃれさということでしょう。英語で「クール」というのが「冷たい」ではなく「格好良い」ということだというのは定着していると思いますが、それに近いかもしれません。
また、ガツガツし過ぎない、みっともない言動をしないということ。例えば、相手のために何かしても、吹聴しないとか、相手のことを考えて行動する。オレがオレがではないのです。
あるいは「スマート」と考えると、分かりやすいかもしれません。つまり「クール」や「スマート」に近いものが「粋」なのです。
昔話や物語、小説やことわざなどからも教訓は見いだせますが、落語の特徴はこの「粋」とユーモアでしょう。これはビジネスにおいても非常に有効ではないでしょうか。ぜひ、落語からユーモアだけでなく「粋」も身に付けてください。

江戸の知恵を年長者や外国人とのビジネスに活かす!

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古典落語は江戸時代が中心です。江戸時代の知恵や考え方は現在の私たちの底流にもなっています。例えば、義理や人情に厚いとか、会話や対話を重視し、年長者を重んじるということです。現代ではそれが失われつつあると言われますが、そこには、これらをないがしろにすることへの反省があります。そのため、年長の取引先や上司との付き合い方についても落語から学ぶところは大きいでしょう。
江戸の人情やユーモアなどが私たちを惹き付けるのも、本来の日本人の姿というものが落語の中にあるからではないでしょうか。近代化し、西洋化した私たちですが、だからこそ、文化的ルーツの一つである江戸時代を見直すことも必要なのです。
また、江戸や古典に関する知識は、外国人とのビジネスやコミュニケーションにも役立ちます。江戸や古典を知っていることは、プラスになってもマイナスにはなりません。

落語の教訓を活かす

どうして落語には教訓があるのでしょうか。まず、落語は一人で語りますが、その中身は人と人の会話、対話です。そこで表現されるのは過ちと正しさです。落語にはご隠居さんとか、大旦那といった登場人物が「知恵者」として登場します。例えば、大工の八っつあんの失敗やトラブルをご隠居さんがたしなめたり解決するといった話からは、「ユーモアがある問題解決の仕方」とか、「失敗しないための考え方」といった教訓が出てきます。

そこには、「正しくあるべし」という考えがあります。そんな知恵や教訓を教えるというのも落語の役割の一つでもあったのでしょう。落語の噺は現代でも有効な「気付き」につながるのです。
しかし、一方的にご隠居さんが偉いのではありません。そういった失敗をする庶民、人情味はあるけれど弱い人々に対する優しいまなざしがあります。笑いで愚かさをたしなめるとともに、笑いで彼らを救うとも捉えられるでしょう。
また、落語の「オチ」や笑いには、しばしば勘違い、聞き違いなどが使われます。落語は基本的に会話、対話ですが、コミュニケーション不足も笑いの要因なのです。正確に相手に理解してもらうというコミュニケーション術の大切さも、落語に学ぶ一つの要素です。
このように、落語の物語にはビジネスに活かせるものがいくつもあります。例えば、『芝浜』、『百年目』、『古手買い』など、働く人にも経営者にも参考になるものがいろいろあります。そんな噺の一つ『百年目』をご紹介します。

百年目

『百年目』ってどんな噺?

大きな店の堅物で通っている番頭、つまり現代における専務が、羽目を外して、乱れた姿で女たちを追い回していると、飲んでいる大旦那、つまり社長と鉢合わせしてしまう。
慌てて、「お、お久しぶり。ごぶさた申し上げております。いつもお変わりなく……」と言って逃げ帰る。
こんな醜態を見せたからには、間違いなくクビだ! と戦々恐々、眠れない。
翌日、番頭が大店へ仕事に向かうと、大旦那はそのことはおくびにも出さず、センダンの大木と雑草の話を始める。センダンは雑草を肥やしにし、雑草はセンダンの下で繁殖する。つまり、持ちつ持たれつはこの店でも同じ、自分と番頭、番頭とその部下でも同じだと告げる。
そして、ようやく前日の話をして、お得意先と呑む場合は相手より多く払えと伝える。さらに、番頭に仕事を任せて、これまで帳簿は見もしなかったが、昨晩のことで不安になってみたら、帳簿もきちんとやっている。そんなお前には、独立を許すと言われる。
ただ、一つだけ疑問がある。どうして「お久しぶり」などと言ったのか、と問われて、番頭は、「醜態を見せてしまって、もう、ここでが会ったが百年目!かと」思った、というオチだった。

教訓1:部下に任せよう

ここでは、大旦那が言うように、社長と社員、上司と部下はセンダンの木のように、上下でありながら、お互いに利を与え合っていることが明確になります。さらに、部下に任せたら、むやみに口を出さず、信頼するべきということも示されています。

教訓2:得意先を活かそう

また、得意先との飲食には少しでも自分が多く出すことが、関係性を良く保つことだということも分かります。お金に慎重であるのは重要ですが、相手に「ケチ」と思われることは、仕事ではプラスにはなりません。金払いが良く、ユーモアがあるビジネス相手は歓迎されますよね。

教訓3:長所を伸ばそう

酒の上の失敗は、どうしてもミスとして追求してしまいがちです。しかし、仕事をしっかりこなした上での失敗は、頭から叱るのではなく、むしろ普段の仕事を褒めて、その上でより長所を伸ばすようにするのが、経営者、上司が心掛けるべきことでしょう。そして、時にはこの番頭のような最後のユーモアも、お互いの関係を良くする潤滑油になるかもしれません。

一人で、そして一緒に落語を楽しもう

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落語はテレビでは、実はひんぱんに放映されています。また、古典落語はDVD、CDなどが販売、レンタルされています。まずは一つ、ぜひとも見て、聞いてみましょう。
物語は文庫本などにもなっています。映像や音声の次は文字で読んでみましょう。通勤電車で読むと、思わず笑いが込み上げます。
そして、ぜひとも生で落語を見てください。よかったら、仕事仲間や仕事先の方とも行ってみてはいかがでしょう。楽しく笑って、一緒に飲食してその話をすると、疲れも吹き飛びます。コミュニケーションとストレス解消の一挙両得です。また、ちょっとした会話のやり取りも、マネしてみると、どうでしょうか。気持ちも楽しくなりますね。

まとめ

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落語は「笑い」によるストレス解消だけではないのがお分かりいただけたでしょうか。落語の物語から教訓を得たり、またプレゼンテーションやスピーチなど、ビジネスに役立つ表現の仕方、会話や対話の仕方を学ぶこともできます。
そしてそこには、「粋」と呼ばれる精神、庶民や弱者に対する優しいまなざしがあります。そんなほほ笑ましくも失敗する人たちに学びながら、「こうありたい」と生きることで、その姿勢がビジネスシーンでも評価されるでしょう。ぜひ、このビジネスに活かすスマート落語術! お試しください。

butohart
笑いを忘れないライター、編集者です

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