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RPA職人のオシゴト 働き方やRPA導入・設計のコツ教えます!

2018.08.17

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RPAとは、RPAが描く世界観

RPAという言葉をご存知でしょうか。

Robotic Process Automationの略……と、なんとも小難しいワードですが、簡単にまとめると、人が行っているパソコン業務をロボットが代替して自動化する仕組みのことをRPAと呼びます。

RPAという言葉をご存知なくとも、「ロボットが私たちの仕事を奪う」というとんでもないニュースを一度は聞いたことがあるはず。大学の権威オックスフォード大学が「あと10年で消える職業」という発表をしたことから、「私の仕事はどうなるの?」と多くの人の注目を集め、物議を醸しました。

しかし、ロボットが仕事を奪うという言葉は大きな誤解を生む表現で、実際には労働力人口が急減していく日本にとってRPAは救いの一手であり、働き方改革を推進する横綱的存在であることをあまり認知されていません。膨大かつ単調な事務作業のために残業しなければならない……、といった状況をRPAならロボットが作業を代行し、私たち人間の時間を創出する。その結果私たちは自身の生活を豊かにし、もっと世の中に価値を提供できる仕事に集中することができ、もっと楽しい生き方を実現することができるようになるのです。

 

急激に伸びるRPA導入社数と、顕在化してきた導入時の課題

RPAが多くの企業に導入されたのは2017年から2018年と最近のこと。日本で普及しているRPAビッグ3ツールはNTT-AT社のWinActor、UiPath社のUiPath、RPAテクノロジーズ社のBizRobo!と言われていますが、例えばWinActorの場合、2014年から発売を開始して2017年当初では85社の実績でしたが2018年の7月時点では1500社に到達しています。

急激に導入する企業が増えたからこそ、多くの企業が今強い関心を寄せているのが、「RPA化したい業務をどうやってRPAのシナリオに落としこむか」という“設計力”と、「RPAをどうやって円滑に社内に導入するか」という“推進力”です。ツールは導入したものの複雑な業務がなかなかRPA化できない、社内でRPAが浸透せずツールを上手く活用できていないという事例も増えています。

今回「RPA職人」と題して、RPAの設計や推進のプロたちへインタビューを行いました。上手くRPAを活用するためのコツはもちろん、RPA職人とはどんな仕事で、RPAが働き方改革にどう関わっているのか、など耳寄りな情報をご紹介いたします。

記念すべき第一回のインタビューにご登場頂いたのは、パーソルプロセス&テクノロジー株式会社に所属する柴切一成さんです。

 

RPA職人になるまでのキャリアとRPA職人というお仕事

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柴切:私のキャリアをご紹介すると、東洋ソフトウェアエンジニアリング株式会社に入社したのがキャリアのスタートとなります。この会社がインテリジェンス ビジネスソリューションズ株式会社に吸収合併され、その後パーソルプロセス&テクノロジー株式会社と名を変えて今に至ります。

所属する会社は、様々な企業へITシステムの導入支援を行う企業ですが、その中で私はSAP領域でABAPという少し特殊な言語を使って開発する期間が長い経歴を持ちます。特殊な言語を扱うという意味で“尖った”エンジニアのキャリアと言えるかもしれません。RPA領域は昨年の9月から参画したのでRPA歴1年弱といった感じです。ということで……ベジータではないかなと思います(笑)。

――RPA領域でのエンジニアという働き方はどんな印象を受けていましたか

柴切:RPAに対する最初の印象で言うと、これから伸びる領域だと認知していましたが、どのような開発をするのか、どんなスキルが必要なのかといった具体的なことは当時何も知らない状態でした。しかし研修を受けてみると今までの経験が活きるなという印象を受けました。

UiPathはVB.NETを理解していると開発しやすいツールと言われていますが、私が経験していたABAPはVB.NETの必要知識との親和性が一定あるのでそれほど苦労せず学ぶことができました。JAVAやC#といった言語がわかる人であれば更に使いやすいツールだと思います。

 

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――RPA(UiPath)に携わろうとする全てのエンジニアに朗報来たる、ですね!!

柴切:それが、簡単にそうとは言い切れません。私の場合、表現が難しいのですが……開発に対する考え方を変える必要が出てきて、適応するのに随分苦労しました。

――え、どういうことですか?

柴切:今までの開発は、無駄が無くシンプルでわかりやすい開発ができるエンジニアが素晴らしいと定義されていました。しかし、RPAで大事にされるのは、どんな環境でも作動する耐性力のあるプログラムを作れるかどうかです。

RPAを導入された企業の方が最初に驚かれるのは、どんなに上手く設計されたプログラムでも、仮に100回実行した場合、100回成功することは極めて稀で、エラーが起きるのが普通だということです。恐らく皆さん経験があると思うのですが、社内のシステムサーバの調子が悪くて、ある時サーバになかなか接続できないといったことがあるはずです。

毎日どんなときでも同じ環境が整っているということは基本的になく、RPAは作られたプログラム通りに動こうとするため、環境の変化に対応できず実行エラーになることがあるんです。なので、シンプルにわかりやすい開発よりも、どんなエラーが起こり得るかを予測し不測の事態にも対応できるプログラムを開発できるかどうかがRPAの開発には求められます。

 

RPAで上手く開発するための2つのコツ

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柴切:開発する上で大事だと思う点は2つあります。1つ目は先ほどご紹介していますが、シンプルな設計よりも業務に耐えられる設計をすること。そのためには、ロボットを動かす環境をしっかり把握して設計に活かすことや、環境依存で動く部分を最小化して少しでも安定稼働できる設計にしていくことが大事だと思います。

2つ目のコツ……というよりも大事なことですが、最初の業務選定ですべてが決まる!という点は強くお伝えしたいポイントです。あまりに大事なので、今回の記事「最初の業務選定ですべてが決まる!」の16文字だけお伝え頂ければオールオーケーです(笑)。

――いえ、そういうわけには……(苦笑)そんなに大事なんですね、どういうことでしょうか。

柴切:失敗する多くの場合は導入側が「なんでもロボット化できる」と間違った認識を持っていることが多いと感じます。作業の分岐が50個、100個ととんでもない数になったり、人が判断しなければ進めない部分までロボット化の範囲に選定されていたりして上手くいかないケースですね。ロボット化に適した業務かどうか、ロボット化に適した業務プロセスに再設計できる業務であるかどうかをしっかり見極める必要があります。

――ロボット化に適した業務とはどんな業務なのでしょうか。

柴切:1つ目は判断を不要とする業務です。今後AIと組み合わさって学習経験から判断業務を自動化することも可能になるかもしれませんが現時点では難しいと思います。2つ目は業務プロセスをフロー化できる業務です。「よしなにやっておいて!」という考えはロボットには通用しないので、決められたルール・フローに落としこめるかどうかが大事になります。

――ありがとうございます!コツを2つお伺いしましたが、他に大事なポイントはありますか。

先ほど1つ目のコツで環境依存して動く部分を減らす必要があるとお伝えしました。現場でよくある失敗例は、自ら環境を変えてしまいロボットが動かなくなってしまうケースです。PCやOSなどを良かれと思ってバージョンアップしてしまいロボットが開発したプログラムを認識できなくなってしまうんです。

「RPA用に高スペックPC買っておきました!」
「RPA用にこのPCをWindows10にバージョンアップしておきました!」
と これは開発者泣かせのあるある失敗例です(笑)。

「あかん、終わった……。あれほど変えないでと言ったのに。」
と心の中で号泣したことを忘れることはできません(笑)。

 

RPAの事例と効果、そして導入企業の反応は

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――今どのようなケースがRPA事例として出てきているのでしょうか。

柴切:様々なものがあります。例えば、交通費の申請ルートが正しいかどうかをロボット化する案件。それまでは申請書に記述されている駅などを一件ずつ調べて、最安値の申請になっているのか、金額が合っているのかを調べていたようですが、人がやるべき仕事ではないという判断でRPA化がすすめられました。

他には、物流業界で配車予定表を今までエクセルを使って手入力していたものを自動化する案件、金融や保険業界の計上業務を自動化、温泉の組合が旅館の帳簿のシステム入力を自動化するなど業界問わず様々な業務がロボット化されてきています。

――RPAの効果はいかがでしょうか。導入企業の声も併せて伺いたいと思います。

柴切:効果を時間に置くことが多いのですが、人が作業するよりも90%以上時間削減になったケースがほとんですね。98%くらい削減できたケースもありますし、70%程度の削減にとどまったケースもあります。70%でも十分凄い数字だと思うのですが。効果のバラつきがどのような理由で起きるのかというと、部分的に人の判断が必要になるため全自動化にはならなかったりすると削減率が下がります。

お客様の声をご紹介すると、作業時間が短くなったというのはもちろん、作業ミスが減った、繁忙期はRPA無しに乗り越えられなくなったという声が挙がっています。働き方改革に伴って残業時間を減らす目的に導入されている企業も多いので、月末や期末なのにあまり残業せず帰宅できたと喜んでいただいたお客様もいらっしゃいました。

 

RPA職人のやりがい、これから取り組みたいこと

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柴切:RPA職人……と話すと恥ずかしい言葉ですが(笑)、働き方をよくしていく仕事であり、働き方を再考していく仕事だと思っています。どうやったら業務改善できるのか、どういうフローが最適なのか、どういう状態になればお客様の働き方改革実現になるのか、こういった問いかけに応えながら進めていく仕事になるのでエンジニアの領域を超えて働けるという部分にやりがいを感じています。

個人的には「エラーが起きなかった」と言われるのが一番嬉しいので、今進めている社内での技術共有・勉強会などを通してスキルを上げていきたいなと思っています。また、お客様が人の手から離したいという業務を100%完全自動化という事例を作ってみたいです。

 

RPAの導入を検討される方は、パーソルプロセス&テクノロジー社へ。
RPA職人の柴切一成さんに導入支援を依頼したい方は「ワークスイッチの記事を見た」とお伝え頂くとスムーズです(嘘)。ライセンス販売、導入支援、RPA基礎、応用研修など様々なサービスを展開中です。ぜひお問い合わせください。
(サービスページ)https://www.persol-pt.co.jp/rpa/

会社経営ときどきライター/細川瑛司
リクルート、クラウドワークスを経て株式会社ユニセルを創業。人事などのビジネステーマを中心に複数メディアの企画・コンテンツ制作を行っている。週休3日・家事育児分担5割を目標に自身の働き方を改革中。

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