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スイッチコラム

本当は知られていないストレスチェック 受けたくない人の不安を解消!

2017.12.29

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2015年から開始されたストレスチェックは、働く人のメンタルヘルスにはかかせないものとされており、従業員50人以上の全ての事業所に義務づけられています。厚労省の調査では、対象となる全企業のうち、ストレスチェックを実施した企業は82.9%。さらに実施した1企業あたりでストレスチェックを実際に行った人の割合を見てみると78%しかおらず、本来対象となる全体数からみると35%もの人が未実施の状態となっています。
また、ストレスチェックを受けて、高ストレスと判断された人の中でも、医師による面接を行ったのはそのうちのわずか0.6%です。つまり、ストレスチェックを受けたくない人が多数いて、受けてもその結果を生かせていないのです。どうしてでしょうか。
そこにはメンタル調査に対する不安や不信があります。受診者にとって何がネックになっていて、どうすれば受診しやすくなるのか。この記事で解説していきます。

ストレスチェックとは

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ストレスチェックは、近年問題になった職場うつなどの対策のため、高ストレスの人に対する予防を目指して導入されました。50名以上の雇用者がいる全ての事業所に義務付けられ、50人未満の事業所についても「努力義務」となっています。

1.ストレスチェックの方法

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ストレスチェックは、毎年1回、一般定期健康診断と同じ対象者に実施されます。労働者に対する質問票(アンケート)によって、医師や保健師、精神保健福祉士がストレスの状態を判断し、当人と事業所に伝えます。その際、事業所宛には個人データではなく、集団としての傾向を伝え、事業所の担当者は、人事権を持たない管理事務職と定められています。
産業医や保健師などがいる場合は、事業所で行うことができますが、事業所にいない場合は外部機関(提供会社)へ委託します。質問内容は、厚労省が示す例をモデルに各事業所で検討されます。

2.ストレスチェックの手順

ストレスチェック実施までの全体像は以下のようになっています。
1 事業者による説明
2 衛生委員会で内容決定
3 従業員に周知
4 調査票によるストレスチェック (アンケート形式。紙またはネット)
5 本人のみへ結果の通知
6 集団の結果を事業所へ通知
7 ストレスが高い者の希望者に医師の面接指導
8 ストレス傾向の集団分析
9 分析結果に基づく職場改善

ストレスチェックの誤認識

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ストレスチェックの受診者は、自分の精神の不調を会社に知られることを不安に思っているでしょう。周囲から白い目で見られないか、評価が下がらないか、査定に響かないか、などと考えます。
医師への面談を申し込むことで高ストレスを知られるという懸念から、面談を申請しない方もいるようです。実際2017年の厚労省の調査では、産業医と面談した従業員が、高ストレスと判断された人の0.6%という低い面談率となっており、また会社に知られたくないと、時間外での面談を希望する方もいらっしゃるようです。
ですが、医師には守秘義務があるので、会社に報告することはありません。産業医も患者の意思を無視して報告できません。不安がある方は、面談の際に医師に確認しましょう。
現在、うつ病などの問題を抱える人は多く、彼らがカウンセリングや心療内科に通うことも普通で、社会的なハードルは低くなっています。何より、ストレスが災いして出社できない、休職などとなっては、働く人にとって大きなマイナスです。そのため、会社に知られるといった不安を抱くよりも、むしろストレスチェックを積極的に行う方が、当人にとってもプラスになるのです。

ストレスチェックの誤認識を解消する

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1. 質問の意図を知る

それでは、ストレスチェックでは何が分かるのでしょうか。厚生労働省が推奨している質問票の採点方法については、厚生労働省の『ストレスチェック制度導入マニュアル』に掲載されています。
ストレスチェックはA「仕事のストレス要因」、B「心身(個人)のストレス反応」、C「周囲のサポート」の3つのパートに分かれます。
A「仕事のストレス要因」の項目で3つ以上要チェックが付いた人は、面談指導や注意深いフォローが必要な高ストレス者と考えられます。Aで要チェックが多く付いた人は、B、Cでも要チェックの確率が高いため、Aのみで高ストレス者と判定されることもあるようです。それぞれの項目は以下の通りです。

ストレスチェック図1
ストレスチェック図2
ストレスチェック図3

2. 質問の判定基準を知る

【Aの判定】「仕事のストレス要因」
設問No.1~ 7「ストレスを感じている」という旨の回答が6個以上:
「仕事の負担度」要チェック
設問No.8~10「ストレスを感じている」という旨の回答が2個以上:
「コントロール度」要チェック
設問No.12~14「ストレスを感じている」という旨の回答が2個以上:
「対人関係」要チェック
設問No.16、17、11「ストレスを感じている」という旨の回答が2個以上:
「仕事の適合性」要チェック
【Bの判定】「心身(個人)のストレス反応」
設問No.1~18「ストレスを感じている」という旨の回答が14個以上:
「心理的ストレス反応」要チェック
設問No.19~29「ストレスを感じている」という旨の回答が6個以上:
「身体的ストレス反応」要チェック
【Cの判定】「周囲のサポート」
設問No.1~8「ストレスを感じている」という旨の回答が5個以上:
「職場内支援度」要チェック
設問No.3、6、9「ストレスを感じている」という旨の回答が2個以上:
「家庭内支援度」要チェック

出典:厚生労働省サイト「5分でできる職場のストレスチェック」による回答結果例( http://kokoro.mhlw.go.jp/check/ )

出典:厚生労働省サイト「5分でできる職場のストレスチェック」による回答結果例( http://kokoro.mhlw.go.jp/check/ )

まとめ

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ストレスチェックに対する不安や不信は解消されたでしょうか?
大事なのは「やらされている」と考えるのではなく、自分のストレスは自分で把握して管理するという意識を持つことです。
自分のストレス状態を知らないまま、悩んだり、落ち込んだり、うつ病になったりすることを避けるためにも、ストレスチェックを積極的に行ってみてはいかがでしょうか。

butohart
医療、保健、雇用に強いライター、編集者です。

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