Bright blue hi-tech vector design

プログラムやデータベースを自動生成してくれる「超高速開発ツール」とは?

2017.07.19

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少子高齢化に伴い日本の労働力が縮小していくことが予測されている昨今。AIやビッグデータなど新たなテクノロジーを駆使して、労働力を補い生産性を高めていく流れが加速しています。そんなグローバル化が進む未来で競合と戦っていくためには、経営スピードに応じた情報システム基盤を構築することが不可欠です。

こうした背景から、業務やシステムのルールを実行するプログラムを自動生成できる超高速開発ツールが注目を集めています。超高速開発ツールは詳細設計、プログラミング、単体テストの工数を大幅にカットし、業務効率を圧倒的に削減することが可能。

ルールは分離して管理できるため、システムが拡大して煩雑になることもなく、スピーディーなシステム保守やコストダウンにも有効です。今回はそんな超高速開発ツールについてわかりやすくご紹介します。

超高速開発ツールのニーズが高まる背景

従来の開発では人力でシステム構築していたこともあり、システム構築に莫大な時間がかかっていました。そのため、スピーディーな意思決定やサービス提供が困難な状況に陥ることもしばしば。特にドキュメントベースの情報共有やテスト工程にかかる時間は膨大で、スムーズな開発を妨げる大きな要因になっていました。

また、プロセスごとに成果物をドキュメントベースで共有するには、ドキュメントの作成や整備、管理などに膨大な時間が必要です。これらは開発プロセスとは違う業務になるため、人件費や工数も自ずと増加します。

さらに、開発後はバージョンアップなどにも考慮した対応が必要になるため、属人化するプログラムを自動生成する超高速開発ツールへの期待が高まっているのです。

超高速開発ツールの強み

従来の開発環境では属人的にプログラミングされているシステムが多く、担当が変わると全く同じプログラムを構築することが難しいという課題がありました。スムーズに情報共有し課題をクリアにした上で、システム開発している企業は稀と言っていいでしょう。

しかし、超高速開発ツールではプログラムを自動生成し、プログラマーの技術レベルをフラットにすることが可能。そのため、属人化していたプログラムを標準化することができます。

さらに、長い時間をかけて行っていた品質管理の工数もカット。テスト工程を一部自動化することもできるので、プログラム数を削減し開発コストを大幅に圧縮できます。

開発工数を削減することで、情報システム部(情シス)の業務負担も軽減。これにより情シスは空いた時間をIT戦略の策定に注力する時間が増えます。近年はビッグデータやIoTへの活用が注目され、システム情報を経営戦略に落とし込む動きも活発になってきました。

従来、開発では各工程にチームが構築され、各チームにリーダーが配属されることが一般的でした。そのため、組織体制は複雑になることもしばしば。しかし、超高速開発ツールはプロジェクトに関わる人材も削減することができるため、コンパクトでチームワークの良い組織を構築することができます。

また、プログラムが標準化され開発レベルも下がるため、業務の担当者をプロジェクトに参加させることも可能。開発が簡素化され、従来のように各担当者の技術を集約しなくても、各担当同士で情報共有をすればプロジェクトが回るため、チーム内におけるコミュニケーションも活発化します。

超高速開発ツールの弱み

超高速開発ツールはイレギュラーな要望への対応が得意ではありません。一つのソリューションとしてツールが提供されているため、追加機能などもベンダーに依存しがちです。そのため、超高速開発ツールを活用する場合は、あらゆる開発環境を想定して、最適なソリューションを導入することが重要と言えるでしょう。

また、超高速開発ツールは開発プロセス全てを高速化するわけではありません。要件定義、概要設計、詳細設計、コーディング、テスト、運用のうち、超高速化ツールが高速化できるのは、概要設計、詳細設計、コーディングのフェーズのみ。そのため、要件定義はユーザー自身が行う必要があります。

Serious concentrated programmers working on a project

超高速開発ツール導入にあたっての課題

これまで大規模システムの開発現場では大人数をプロジェクトに投入し、納期までにシステムを完成させることが一般的でしたが、超高速開発ツールの登場で、より小人数でシステム改善を繰り返すことが求められるようになります。

現場の人たち全てがこうした変化をポジティブに受け入れるわけではないため、日本企業の多くが従来の体制からこうした体制にスムーズにシフトすることは簡単ではないでしょう。

超高速開発ツールをスムーズに導入するには、プロジェクトに関わる全てのスタッフが既存の開発プロセスから脱却し、工程を刷新する強い意思を持つと共に、変化に対応する体制構築も並行して進めていく必要があります。

さらに、こうした変化に対応し得る人材教育体制の構築も課題の一つ。既存の開発プロセスが変わることで、プロジェクトに関わるメンバーは業務プロセス設計や分析といった新たなスキルを身につける必要があります。

プログラムを自動生成されるからといって、プログラミングの知識が不要になるわけでもないので、引き続きプログラミングの基礎知識は現場レベルで求められます。システム開発に関する教育体制は既に多くの企業で整っています。しかしながら、超高速開発ツールの導入による新たな環境への移行に対応するための教育体制は、まだ確立されていないのが現状です。

Technology Hud Global Web Media Concept

超高速開発ツール導入に向けた人材育成

では具体的に、上記のような課題に対応するためは、どんな人材を育成する必要があるのでしょうか。まず、必要なことはプログラマーの経営者視点の醸成。開発プロセスが簡略化し工数が圧縮された際にエンジニアに求められるのは、業務プロセス設計スキルです。単純労働ではなく、抽出した課題に対してどのようなプロセスが最適かを考え、描いていく力が求められるでしょう。

次に必要なのがデータ分析力。リポジトリに記録されているデータを分析し、どう活かしていくかを考えられる人材の育成も重要です。そして最後に、コミュニケーション力を持った人材の育成。これまでの開発環境では、開発スキルが高ければ自己完結型のエンジニアでもプロセスを回すことができました。しかし、開発プロセスを一新した場合、情報共有とコミュニケーションが求められるため、チームワークを重視した開発スタイルが求められるでしょう。

着実に進む超高速開発ツールの導入

日本情報システムユーザー協会「JUASソフトウェアメトリックス調査」によると、超高速開発ツールの導入で63%の企業が品質を向上させ、67%の企業がコストを削減し、72%の企業が工期を短縮したことがわかっています。しかしながら、その実績の多くが適用領域の比較的小さなものが中心で、大規模システムへの適用事例やノウハウはまだまだ少ないことが現状です。

ただ、市場の後押しや、コストカット、工数短縮、バグの少なさから、企業規模を問わず着実に浸透しつつあります。開発プロセスを刷新し、経営スピードを加速させる情報システム部門を構築したい方は、ぜひ超高速開発ツールの導入とそこに向けた人材教育体制の構築を検討してみてはいかがでしょうか。

<了>

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