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RPA・AI・ビッグデータ活用の最前線!社員を価値創造業務へ注力させるために取り組むべきことは? 第1回 Work Switch DAY 2019「働き方改革時代の生産性向上」【後編】

2019.10.23

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ワークスイッチコンサルティング(以下、WSC)は、2019年8月28日に「第1回 Work Switch DAY 2019 働き方改革時代の生産性向上」と題したセミナーを開催しました。「AIの活用の可能性とリスク」について考えたところで前半が終了し、後半では「RPAの活用」「創造性の可視化」「調達業務改革におけるBIの活用」をテーマにしたセッションが行われました。本記事では、参加者の耳目を集めた前半に続き、後半のセッションの様子をリポートします。

第4セッション RPAの活用をさらに加速させるには?

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▲大塚啓史、鈴木邦彦

第4セッションは、RPA(Robotic Process Automation)※1の活用がテーマ。タスク管理ツール『Bizer team』を展開するBizer株式会社代表取締役・畠山友一さん、WSC業務コンサルタント・鈴木邦彦、パーソルプロセス&テクノロジーで「パーソルのRPA」導入を推進する大塚啓史の3名が登壇。来場者から事前に募集した質問をもとにパネルディスカッションを行いました。

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▲畠山友一さん

「RPA導入後、さらに活用を推進するためにまずは誰にアプローチすべきか?」という質問に対して、鈴木は「鍵となるのは経営層。トップのサポートのもとで推進チームを作ることが重要である」と回答。大塚は「経営層に発信する際は、人員削減が目的ではないということを明確にすべき」、畠山さんは「どんな組織にも当てはまるというツールはないので、思想や世界観と会社の文化が一致するかどうかが重要」と話します。

続いて、「RPAが実際にどこまで活用できているのか、ROI(Return On Investment)※2はしっかりとれているのかを知りたい」という質問が出ました。
これに対して、大塚は「2~3年後にROIが取れる計算で始めていて、現時点ではまだ取れていない企業が多い」と回答。さらに、RPAを前提とした新しい組織づくりの傾向として、「次期役員層や優秀な人材をRPA推進担当に抜擢する組織が増えている」と話します。RPAを有効活用する方法について考えるきっかけをもたらすセッションでした。

※1:ロボットによってホワイトカラーの業務を自動化、効率化する取り組み
※2:投資収益率。投資した資本に対して得られる利益のこと

第5セッション 創造性が「見える」、その価値とは?~「処理」から「創造」する仕事へ

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▲松本勝さん

第5セッションに登壇いただいたのは、VISITS Technologies株式会社代表取締役・松本勝さん。WSC事業創造コンサルタント・合田健太郎が進行しました。アイデアの価値を数値化して分析し、アイデアを出す力を「創造力」として評価するVISITS Technologiesのプロダクト『ideagram(アイデアグラム)』。それを活用した「イノベーションを起こしやすい組織づくり」についてお話しいただきました。

「ideagramは組織でどのように使われているのか」という合田の質問に対し、松本さんは、その組織が組織文化としてイノベーションを推進していることが前提であるとした上で、現場における活用例を示しました。

「主にアイデアの価値を実証したり、新規事業の種となるアイデアを生み出したりするための手段として導入されるケースが多いです。他にも、人材発掘や人材育成領域に活用されていますね。定期的にクリエイティビティを測るテストを行うと、デザイン思考に慣れていない人ほど顕著な変化がみられるんです」

創造性の可視化は、人事の視点ではタレントマネジメントに、そして事業の視点では多くの人が共感するアイデアの種の選定などに活用できます。現時点では、目利き力の可視化という点で世界レベルでも「ideagram」の類似サービスは無く、特許サービスとして認定されています。松本さんは、「「日本を再びイノベーション大国に」という目的を掲げて、誰もが発揮しやすく、きちんと評価されていく環境を作ることに力を注いでいきたい」と話します。

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「日本では、優秀な人は既存の儲かるビジネスに配置される傾向にありますが、実際にはレールのない新規事業のほうが難しい。より情熱とクリエイティビティを併せ持った優秀な人材こそ必要とされています。今後は、優秀な人材に新規事業を任せるという意識の醸成を含めて、日本の企業の皆さんの力になれるよう努力していきたいですね。」

第6セッション 調達業務改革におけるBIの活用について

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▲浅海清さん

最終セッションには、株式会社HIPUS CSOの浅海(あさみ)清さんが登壇。WSCデータコンサルタントの宇賀持(うがもち)志織の進行のもと、調達業務改革におけるBIの活用についてお話しいただきました。

はじめに浅海さんが、日本企業の調達分野における国内外のニーズと、間接材調達を中心とした業務改革支援のサービス概要について説明。あわせて、その中でBI(Business Intelligence)※3がどのように活用されているかについて解説しました。

「業務改善では、AIによる業務高度化の前段階にあたる業務データの可視化にBIが使われています。教育なら、スキルアセスメントの分析、そして教育プログラムの実施後の効果の可視化にBIを使って、全体をPDCAで回していくというイメージです。また、我々の本業である調達業務では、これまでExcelで一生懸命確認してきた購入データや支出状況を可視化し、動態的に管理するためにBIを活用しています」

続いて、日立グループの調達業務改革事例をもとに、調達業務をグローバルトップレベルに引き上げるためのプロセスとして、デジタルトランスフォーメーションの必要性について話がありました。

「調達業務をグローバルトップレベルに引き上げるには、デジタルトランスフォーメーション※4が鍵になります。IT化が遅れている上流業務や属人管理・手作業で行われている業務を標準化、効率化、高度化し、調達デジタルデータに共通性を持たせて公共財化を図ることが求められるためです。多角的なデータに基づいたシナリオ分析策定、ノウハウやデータの集約・共有化にBIやRPAが使われています」

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人手不足で「人から人へ」の承継が困難になりつつある中、BIを使うことでベテランがExcelを用いて行ってきた分析を若手が容易に行えるようになります。

「Excelを見続けるのはやめようを掛け声に、今後もBIの活用を推進していきたいと思います」と、浅海さんのこの言葉でセッションは締めくくられました。

※3:企業が持つ膨大なデータを集約・分析して経営の意思決定に役立てること
※4:「ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念。デジタル技術を活用することで、既存のビジネス構造を脱却して新たな価値を生み出すことを目指す

以上で、全6領域のセッションが終了。既存業務の効率化、これまで測られていなかった業務データや個人の能力を可視化することの意義、導入のプロセスなど、事例とともにご紹介いただきました。

最後は、参加者と登壇者での懇親会を開催。さまざまな業種の参加者が、セッションの感想や業務の悩みを共有しながら交流を深める様子がうかがえました。

テクノロジーを味方にすることで、事業の新たな可能性を切り拓き、人々が生き生きと働ける環境をつくる。自分の組織では、これからの生産性向上のために何から始められるのだろうか。今回のセミナーを通じて、参加者それぞれが次に踏み出すべき一歩が見つかったのではないでしょうか。

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関連リンク
Bizer株式会社
VISITS Technologies株式会社
株式会社HIPUS

取材・編集/角田尭史(リスナーズ株式会社)、國井麻美子、文/藤巻史、撮影/大西知宏

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