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ライター歴10年の私が伝授! 読むだけで人の心を引きつける文章が書ける、文章力アップに役立つ「名著4冊」!

2017.12.08

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インターネットによって誰もが自分の文章を世界に届けられる時代。魅力的な文章さえ書ければビジネスチャンスは広がります。
ですが、学生時代に学んだ国語というのは、試験に受かることが目的でした。人の心を引きつける文章の書き方は、勉強していません。
そこで、文章力が身に付く名著4冊を紹介します。長期休みなどの時間があるときに、じっくりと読んでみてください。

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1冊目 基礎を学んで読みやすい文章を

『日本語の作文技術』本田勝一(朝日文庫)1982

『日本語の作文技術』本田勝一(朝日文庫)1982

文章術の入門書としてお薦めしたいのは『日本語の作文技術』です。

著者はジャーナリストの本多勝一氏で、長年の文筆業経験で学んだ技術を分かりやすくまとめてくれています。そのため、私がライターの専門学校で文章術を習う時の参考図書とされていました。

意外と知られていない「、」や「。」の句読点の打ち方や、段落を変える際のルール、漢字とカタカナの使い分けのバランス、奥が深い助詞についてなど、基礎的なことが網羅されています。

中でも重要なのが「読者にとって読みやすい文章かどうか」という点です。

例えば、「Aが、Bを、Cに、紹介した。」という文章があるとします。これだけなら違和感はありませんが、文章が長くなるとどうでしょう?

1.Aが私が震えるほど大嫌いなBを私の親友のCに紹介した。

「Aが」(主語)と「紹介した」(動詞)の間に、言葉が多く入ってしまって少し読みづらいと思います。そこで、読みやすくするためのルールの1つ「長い言葉(修飾語)は前に、短い言葉(修飾語)は後ろに」で書き直してみましょう。

2.私が震えるほど大嫌いなBを私の親友のCにAが紹介した。

1よりも2の方がスッと頭に入ってくると思います。
日本語は英語と違って「先頭に主語が必ずこなければいけない」という決まりはありません。自由です。文章を書き終わったら一度読み直して、言葉の位置を入れ替えたり、区切りを付けたりするだけでも、読みやすさはがらりと変わります。

文章力は、長文になるほど必要になります。
私が見習い時代に編集者から何度も指摘されたのは、「文章は短くすること」でした。

例えば、口には入り切らないような巨大なステーキでも、一口サイズにカットすれば食べやすくなります。これと同様で、文章力に自信がないうちは、短い文章になるよう区切ることを意識しましょう。

2冊目 ネット記事には感動詞を!

『伝え方が9割』佐々木圭一(ダイヤモンド社)2013

『伝え方が9割』佐々木圭一(ダイヤモンド社)2013

雑誌記事なのかネット記事なのかによって、表現する言葉を変えることも重要なポイントです。

雑誌は定期読者がいるので、読者層を絞ることで専門用語が使用できます。一方、ネット記事はTVと同じで、不特定多数が目にするものなので専門用語は避ける傾向にあります。文章の印象としては「雑誌は硬く、ネットは軟らかく」という感じです。

では、ネット記事用に文章を軟らかくするには、どうすればいいのでしょう?

私が意識しているのは「感動詞」を使うことです。
感動詞とは「ほう」「うーん」「そうか」などの感情を表現する言葉のことで、共感してもらいたいときによく使います。

例えば、雑誌記事では「●●なのだと理解した」と書いたとしても、ネット記事にする場合は「ふむふむ、そうだったのか!」と表現を変えています。読者が日頃、頭の中で使っている言葉に合わせた方が共感しやすくなります。

この考えと近い内容が書かれているのが、シリーズ累計100万部を突破したビジネス書のベストセラー『伝え方が9割』です。
コピーライターとして数々の広告賞を受賞した佐々木圭一氏が、名コピーの作り方を分かりやすく教えてくれます。

書籍全体を通して語っていることは「読者を想像すること」です。読者を意識することで、名コピーが作れると述べています。

感動詞を使う技術についても、書籍では丁寧に説明されています。感動詞を上手に使った観光CMの名コピー「そうだ 京都、行こう。」はサプライズ法として紹介されています。
他にも、「考えるな、感じろ」のような正反対の言葉を並べて言葉を強くするギャップ法、「人民の、人民による、人民のための政治」のような同じ言葉を繰り返すリピート法など、実際にすぐ使える技術が詰まっています。

3冊目 文章構成で山場を作る

『6分間文章術――想いを伝える教科書』中野巧(ダイヤモンド社)2013

『6分間文章術――想いを伝える教科書』中野巧(ダイヤモンド社)2013

文章はいきなり書き始めてはいけません。一番伝えたいことは何か、切り口はどうするか、まずは文章の構成を考えましょう。

構成で大切なのは、山場を作ることです。
これはイメージの話ですが、砂山を作るときは、砂を積み上げれば山になります。さらに山の周りを掘ればより高い山になります。つまり「凸凹を強調することで山場を作る」という訳です。

構成力を付けたい人に読んでもらいたい本といえば『6分間文章術――想いを伝える教科書』です。
7つの項目(ゴール設定、最終的な行動、ポジティブな感情、ポジティブへの言葉掛け、ネガティブな感情、ネガティブの背景、ネガティブへの言葉掛け)に分けて、共感が生まれる言葉を書き出していくだけで、文章構成も完成できるというのが、本書の魅力です。

私が特に重要だと思ったのは、ネガティブ面も書き出すことでした。

メリット(ポジティブ面)を強調されるだけでは人は動きません。人には猜疑心というものがあり、良い話には「裏があるのでは?」と考える人も多いからです。

そこで、文章にあえてデメリット(ネガティブ面)を加え、それを克服する方法を盛り込むことで感情を動かします。一流の営業マンは、商品のデメリットを伝えることで信頼関係を築きますが、構成上でそれを表現している訳です。

商品販売のランディングページやセールスレターなど、人を説得する文章を書く前に一読しておいて損はないでしょう。

4冊目 味に関する表現を広げたい

『ことばは味を超える―美味しい表現の探求』瀬戸賢一(海鳴社)2003

『ことばは味を超える―美味しい表現の探求』瀬戸賢一(海鳴社)2003

グルメ記事など、食事に関する文章を私は何年も書き続けてきました。
食に関して表現をするときは、味だけではなく、産地や調理法などの情報をしっかりと明記することを意識しています。

例えば、ラーメンのグルメ記事を書くときを考えてみましょう。
ダシに使われる煮干しだけを見ても、産地や季節によって出てくる味わいが違ってきます。「なぜ、その煮干しを選んだのか?」ということを考えると、店主が表現したい味につながります。料理人が食材選びから始めるように、ライターも食材を見極めていくことで味に近付いていくのです。さらに言えば、味の判断は主観的なものなので、産地などの客観的な情報を伝えるという意味もあります。

味を表現するとき、五感を使って捉えるようにすると、言葉が見付かります。
例えば、ラーメンの麺の歯応えであれば、「モチモチとした」「グニュっとした」「コリッとした」「プッツンと切れるような」など、さまざまな表現によって印象は違ってきます。

そして、適切な言葉を探すときに重宝するのが、『ことばは味を超える―美味しい表現の探求』です。言語学の第一人者である瀬戸賢一氏の著書で、味に関する多数の表現が掲載されています。

グルメ記事を書くときに、強い味方になってくれるはずです。

主役は読者

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文豪のゲーテの格言の中に、以下の言葉があります。
「人は自分の聞きたい言葉しか聞かない」

この言葉に文章術の真髄が隠されています。執筆をする上で常に意識してもらいたいのが、「主役は書き手ではなくて、読者である」ということ。独り善がりの文章では伝わりません。相手が理解できる単語、共感できる内容にすることで、初めて言葉は伝わるのです。

佐々木翔
1983年長野県生まれ。『週刊SPA!』でライターデビュー、フリーライター歴は10年。ビジネス系の取材記事が得意だが、グルメ系から芸能系まで幅広いジャンルで活躍。小学館の雑誌を中心として活動しながら、Web媒体でも記事を執筆!

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